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マグネシウムの役割①:あなたの健康を支えるミネラル

栄養学

このブログでは最後のミネラルになる「マグネシウム」について書いきます。マグネシウムは体にたくさんの生体反応に役立つため3回に分けて書いていこうと思います。

マグネシウムとは

マグネシウムという物質は、亜鉛と同じように、私たちの体の中で色々な働きをしています。具体的には、300種類以上の酵素反応、つまり、体内のさまざまな化学反応を助ける役割を果たしています。酵素とは、私たちの体内で行われる化学反応を速くしたり、スムーズにしたりするための大切な物質です。

私たちの体の中には約25グラムのマグネシウムが存在しています。その内訳を見てみると、50%以上が骨に、40%が筋肉やその他の軟部組織に存在し、細胞の外には1%しかありません。つまり、マグネシウムの大半は骨や筋肉などの内部にあります。

また、マグネシウムはカルシウムと同じように、体の中で不足すると骨に貯蔵されているマグネシウムが体の他の部分で使われるようになります。これは体が、必要な場所でマグネシウムを使えるように、自動的に調節しているということです。

以上のように、マグネシウムは体の中で多くの重要な役割を果たしています。そのため、私たちの健康を保つためには、適量のマグネシウムを摂取することが大切です。

リラックス効果

カルシウムは筋肉が収縮するときは筋小胞体(筋肉細胞内にある小さな袋のような構造)からカルシウムイオンが放出されます。では、そのカルシウムイオンはどうやって筋小胞体に戻るのでしょうか。

それは、「カルシウムポンプ」という働きをするものによります。

このカルシウムポンプは、名前の通りカルシウムイオンを筋小胞体に「ポンプ」する役割があります。しかし、このポンプはただ動くだけでなく、エネルギーを必要とします。そのエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という物質から供給されます。このATP依存性のカルシウムポンプを正常に動かすためには、マグネシウムが必要なのです。

筋肉がつっぱったり、肉離れを起こしたりする時、それは筋肉が過度に収縮している証拠です。これはマグネシウムが足りないことにより、カルシウムポンプがうまく動かず、カルシウムイオンが筋肉にとどまってしまい、筋肉が「収縮したまま」になってしまうからです。

しかし、マグネシウムを十分に摂取すれば、カルシウムポンプが正常に働き、カルシウムイオンが筋小胞体に戻ることができます。このように、マグネシウムは筋肉の過度な収縮、つまり筋肉の痙攣を防ぐ助けとなるのです。

タンパク質の合成

タンパク質の合成は細胞内の特定の場所、リボゾームという小さな構造体で行われます。これは、私たちの体の細胞がDNAの情報をもとに、新しいタンパク質をつくるための「工場」のようなものと考えてください。

DNAは私たちの遺伝情報を保持している物質で、その情報はアミノ酸というタンパク質を構成する部品の順番を決めます。この情報はmRNAという物質によってリボゾームまで運ばれます。mRNAは、DNAの情報を読み取り、それをリボゾームに伝える役割を果たすのです。

そして、リボゾームの表面で、粗面小胞体という部分で、この情報が「翻訳」されます。つまり、mRNAが運んできた情報をもとに、アミノ酸が正しい順番に並べられ、タンパク質が作られます。このときにアミノ酸を運んでくるのがtRNAという物質です。

しかし、この一連の作業はエネルギーを必要とします。そのエネルギー源はATPという物質で、マグネシウムがないと、このエネルギーを使うことができないのです。つまり、マグネシウムはタンパク質の合成という、私たちの体が健康で機能するために非常に重要なプロセスに必要なミネラルなのです。

骨を強くする

骨を強くするためにはカルシウムが重要ですが、マグネシウムもまた大切な役割を果たします。

例えば、マグネシウムは「パラソルモン」というホルモンの量を減らす働きがあります。パラソルモンは、体内のカルシウムの量を調節するホルモンで、その量が多いと骨からカルシウムが溶出しやすくなり、骨が弱くなります。

そのため、マグネシウムがパラソルモンを抑えることは、骨を強くするために重要です。

研究でも、成人男性がマグネシウムをサプリメントとして摂取した結果、骨の量が減少する速度が遅くなり、骨が強くなることが確認されました。これはマグネシウムが骨の健康にプラスの影響を与えることを示しています。

さらに、8歳から14歳の女性120人に対して、毎日300mgのマグネシウムを摂取させたところ、1年後には股関節の骨密度が上昇しました。骨密度とは骨がどれだけしっかりとした構造を持っているかを示すもので、骨密度が高いほど、骨は丈夫です。これらの研究結果から、マグネシウムが骨の健康に重要であることが分かります。

まとめ

今回は

マグネシウムのリラックス効果

タンパク質合成

骨を強くする

について書いていきました。

次回もマグネシウムについて書いていきますのでよろしくお願いします。

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