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身近なミネラル、マグネシウム:その重要性と健康への影響

栄養学

今日は、私たちの健康にとって重要なミネラルの一つ、「マグネシウム」についての2回目です。

マグネシウムは、体のさまざまな機能を助ける重要な栄養素です。例えば、筋肉や神経の働きをスムーズにしたり、骨を丈夫にしたりします。

しかしながら、その存在は少々控えめで、日常生活の中で注目されることは少ないかもしれません。それにもかかわらず、マグネシウムが不足すると、体にはさまざまな影響が出てきます。そのため、日々の食事で適量を摂取することが大切なのです。

このブログでは、マグネシウムの役割や健康問題について詳しく解説します。一緒に、マグネシウムの奥深い世界を探ってみましょう。

血管や糖尿病にマグネシウム

心臓や血管の病気や糖尿病の予防には、血液中のマグネシウムが重要です。血液中のマグネシウムが多い人は心臓や血管の病気になる可能性が少ないと言われています。さらに、食事からたくさんのマグネシウムを摂ると心臓が血液を送る力が弱まる病気のリスクも低くなると考えられています。

高血圧の人がマグネシウムを口から摂取すると、血圧が下がることがわかっています。また、インスリンという血糖値を下げるホルモンがうまく働かない状態を改善したり、悪玉コレステロール(全コレステロールとLDLコレステロール)を減らしたり、良玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やしたり、中性脂肪を減らしたりする効果もあります。

さらに、マグネシウムを6ヶ月間摂取すると、食事を摂らない状態(空腹時)の血糖値が下がり、インスリンがうまく働くようになることがわかっています。

最後に、マグネシウムはインスリンを作る細胞の働きを良くする効果もあると報告されています。

ダイエットに効くマグネシウム

マグネシウムは体の中の炎症を少なくする働きがあると考えられています。炎症とは、体が感染症やけがから自分自身を守るために起こる反応のことで、これが長く続くと健康に悪影響を及ぼすことがあります。

また、運動をするときに出るストレスが体内でコルチゾルというホルモンを作り出します。コルチゾルが多くなると、お腹周りに脂肪がつきやすくなるのですが、マグネシウムを摂ることでこのコルチゾルの量を減らすことができるかもしれません。

さらに、マグネシウムとビタミンDを一緒に摂ることで、太りすぎを防ぐ効果がある可能性もあります。ビタミンDは体内でマグネシウムをうまく使うために必要な栄養素で、この2つを組み合わせることでさらに健康効果を得ることができるかもしれません。

要するに、マグネシウムは体内の炎症を抑えたり、運動時のストレスを軽減したり、お腹周りの脂肪の増加を防いだり、肥満を防ぐ可能性があるのです。

マグネシウムと睡眠

マグネシウムは体をリラックスさせる効果があると言われています。この効果により、マグネシウムは睡眠を深くしてくれる働きがあるのです。つまり、マグネシウムを摂取すると、よりよい睡眠を得ることができます。

日本で「ZMA」という栄養補助食品が人気を集めたとき、そのテストステロン(男性ホルモン)を増やす効果よりも、まずはこの「睡眠を深くする効果」が注目されました。

この「睡眠を深くする効果」を最大限に活用するためには、夕食後にマグネシウムを摂取することがおすすめです。そうすることで、マグネシウムのリラックス効果を引き出し、より質の良い睡眠を得ることができるかもしれません。

マグネシウムの記憶力

神経細胞が情報を伝えるための物質、つまり「神経伝達物質」の一つに「グルタミン酸」があります。グルタミン酸は「興奮性」の神経伝達物質で、神経細胞を活性化させる働きがあります。グルタミン酸が働くためには「NMDA受容体」という場所が必要です。

NMDA受容体は、グルタミン酸と結合すると、カルシウムイオン(体内で色々な働きをする微小な粒子)を細胞内に取り入れます。この反応は、私たちが新しい情報を覚える(つまり記憶する)ために必要です。

ただし、このカルシウムイオンが細胞内に入りすぎると、細胞が興奮しすぎて、過活動を起こしたり、正しく記憶できなくなったりすることがあります。そこで登場するのが「マグネシウムイオン」です。マグネシウムイオンはカルシウムイオンが細胞内に入る時の「門番」のような役割を果たし、適度な興奮状態を保つのに役立ちます。

東京都医学総合研究所の研究では、マグネシウムがこの記憶の維持に大切な役割を果たしていることが証明されています。

さらに、過活動が見られる子供40名にマグネシウムとビタミンB6を飲ませた結果、子供たちの過活動や攻撃性が抑制され、注意力が向上しました。しかし、マグネシウムとビタミンB6の摂取を止めると、症状が再び現れることがわかりました。

つまり、マグネシウムは記憶力の向上や過活動症状の抑制に役立つ可能性があると考えられているのです。

まとめ

それでは今日の話をまとめましょう。マグネシウムは私たちの体にとって必要不可欠なミネラルであり、様々な身体機能の維持に重要な役割を果たしています。睡眠の質の向上、記憶力の支援、心血管疾患の予防、さらには炎症の抑制など、その働きは多岐にわたります。

しかし、意識的に摂取しない限り、食事から適量を摂るのは難しいかもしれません。健康的な食事と、必要に応じてサプリメントを利用することで、マグネシウムの恩恵を最大限に享受することができます。

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