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【ベストセラー】「2度のがんから私を救ったいのちのスクワット」を要約してみた。

栄養学

【ベストセラー】「2度のがんから私を救ったいのちのスクワット」

東大名誉教授であり、筋肉研究の第一人者として名高い石井直方教授の著書『命のスクワット』の解説を始めたいと思います。石井教授は、筋肉拍手とも称され、スロートレーニングの開発者としても知られています。皆さんも感じるでしょうが、筋トレや筋肉の重要性は単に「重要」という言葉だけでは表現しきれないほどです。

それは、筋肉が私たちの寿命や健康を直接左右するからです。石井教授自身も2度のガンの闘病を経験し、筋肉の力が彼の命を救ったと断言しています。私たちが「人生100年時代」と称されるこの時代を、健康で活力に満ちて生き抜くための秘訣が、この筋力トレーニングにあると石井教授は訴えています。

このブログでは、石井教授の提唱する筋肉の価値や筋トレの効果、そして具体的な筋トレ方法などを、深く掘り下げて解説していきます。特に、病気との闘いの中で筋肉がどれほど大切なのか、そして病気になる前にどのように筋肉を増やし維持するべきかに焦点を当てています。皆さんが将来、病気になった時に「筋トレしておけばよかった」と後悔することがないよう、今から筋肉を育てる重要性を知っていただきたいと思います。石井教授の著書は非常に魅力的で、私も多くを学びました。ぜひ、一度手に取ってその内容を確かめてみてください。

今後のブログでは、本書の内容を3回にわたって詳しく解説していきます。

1章では筋肉が衰えることでの老化や早死にのリスク、

次回の2章では筋肉を鍛えることでの病気の予防、

そして3章ではスロースクワットの効果と方法について深く探っていきます。それでは、一緒に筋肉の奥深い世界を探求していきましょう!

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筋肉が衰えると、急激に老化し、早死にする

「筋肉が衰えると、急激に老化し、早死にする」というテーマを詳しく解説します。本書『2度のガンから私を救った命のスクワット』の著者、石井さんは、実際に2度のガンとの闘いを経験しています。その中での治療は非常に過酷で、1ヶ月間の無菌室での抗がん剤治療や、半年に及ぶ継続的な治療、そして3回の入院を必要としました。これにより、彼の体重は80キロから61キロまで激減しました。

多くの人は彼の命を失うのではないかと思いましたが、石井さんは奇跡的に回復しました。彼自身、その回復の要因として、長年培ってきた体力や筋力の重要性を挙げています。実際の闘病生活を通じて、彼は筋肉の維持が生命を守る上での非常に大きな要因であると深く認識しました。

実際に、手術や治療において、筋肉量や筋力が重要なファクターとして認識されている現代、筋肉トレーニングは、治療の一部として実際に取り入れられることも増えています。手術前後の筋肉トレーニングは、手術の成功率や回復速度に直接関わる重要な要素として注目されています。

石井さん自身も、入院中に筋肉を減少させないよう、本書で紹介されているスロースクワットを実践し、筋肉量の維持に努力していました。このエピソードから、もし将来、皆さんが大きな病気や手術に直面した際、筋肉トレーニングの重要性を強く認識し、適切なアプローチを取ることの重要性を理解していただきたいと思います。

筋肉量と健康維持

東京大学病院では、近年、興味深い研究が行われています。その研究の中で、腰部に位置するインナーマッスル、特に「大腰筋」の厚さと、手術後の回復速度との関連について調査されています。多くの患者のデータを基にした統計分析の結果、大腰筋が発達している、つまり体幹の筋肉が充実している人ほど、手術後の回復が迅速に進行するという興味深い結果が明らかになってきました。

本書の著者である石井さん自身も、その大腰筋が非常に発達していました。彼はこの発達した筋肉のおかげで、2度のガンという大きな試練を乗り越えることができたと語っています。もし、彼が日常的に筋トレをして筋肉を鍛え上げていなかったら、彼自身が言うように、彼の命を落としていても驚くことではなかったかもしれません。

しかし、すべての病院で筋トレが治療の一部として導入されているわけではありません。とはいえ、石井さんが本書で提唱している「スロースクワット」という方法は、無理なく、そして狭い病室の中でも自分自身で実践できるものです。実際、彼はガンとの闘病中、病床にてこのスロースクワットを定期的に実施し続けました。この方法が彼の回復を促進し、命を救ったともいえるでしょう。彼の体験は、筋肉が持つ命を守るパワーの証明と言えます。

筋肉量と癌の関係

近年の医学研究において、筋肉の存在とその健康維持に関する重要性がますます明らかになってきました。一つの示唆的な実験がガンと筋肉との関連について行われました。具体的には、ガンを移植されたマウスの実験で、筋肉の量がそのマウスの寿命にどれほど影響を及ぼすかを調査しました。

この実験で、ガンを移植されたマウスが放置されると、筋肉は急速に萎縮し、その結果、マウスは移植後約35日でほぼ全滅することが確認されました。しかし、これらのマウスに筋肉を増強する薬物を投与した場合、ガンの成長には変わりが見られなかったものの、移植後の35日時点で驚くべきことに、80%以上のマウスが生存していました。

この実験結果から、ガンの進行と死亡との間に、筋肉量の減少が深く関与していることが示唆されます。そして、この事実は、癌をはじめとする様々な病気との戦いにおいて、筋肉の維持と増強が非常に重要であることを物語っています。

また、筋トレの行為自体が体内で「マイオカイン」という生理活性物質の分泌を促進することも判明しています。

この物質には、様々な病気の予防や老化の抑制といった効果があり、筋トレによってこの物質を増やすことで、病気にかかりにくくなるだけでなく、老化現象を遅らせることが可能となります。これは、筋トレを定期的に行っている人が見た目に若々しいのは、このマイオカインの影響により老化が抑制されているためである可能性が高いと考えられます。

さらに、人間に対して行われた他の研究でも、筋肉量の低下がすべての原因による死亡リスクを独立して上昇させることが明らかになっています。つまり、筋肉量が減少すると、死亡リスクが増加するという結論が導き出されました。これらの研究結果を考えると、現代の高齢化社会で長生きし、健康を維持するための重要な手段として、筋トレの実施と筋肉量の維持が欠かせないことが明確となります。

筋肉量と死亡率の関係

筋肉量は、年齢を重ねても健康でいるかどうかを示す指標として非常に重要です。具体的には、筋肉量を維持するためのトレーニングを定期的に行っている高齢者は、健康でいる可能性が高まります。対照的に、何も筋トレを行わず筋肉が低下した高齢者は、健康上の問題に直面するリスクが増加します。

研究によると、筋トレを定期的に行うことは心血管疾患やその他の慢性疾患の発症リスクを低減することと関連があるとされています。例として、心血管疾患のリスクは、週に約60分の筋トレを行うことで18%、週に約30分の筋トレを行うことで9%低減します。また、糖尿病のリスクは筋トレの時間が長いほど低くなることも明らかにされています。

2015年の厚生労働省の報告では、筋肉量が少ない高齢の男性は筋肉量が多い男性と比較して、死亡率が約2倍高くなるとされています。これは、健康であるかどうかの大きな指標として筋肉量の重要性を示しています。

筋トレをすることで、高齢になった時にも健康で、好きな活動や趣味を続けられる可能性が高まります。たとえば、旅行が好きで、現役時代には忙しさから訪れることができなかった場所を、退職後に訪れたいと考えている人は多いでしょう。しかし、筋肉を維持しないと、体調が悪くなり、疲れやすくなってしまうため、実際に旅行を楽しむ体力や元気がなくなってしまいます。

さらに、人と交流することや外出することが減少すると、脳の機能も低下してしまいます。常に脳を活動的に使わないと、その機能は老化してしまいます。従って、現在若くても、老後を健やかに過ごすためには、筋トレという形で自分の身体を鍛えることが重要です。

老後の筋トレの重要性

老後もアクティブな生活を楽しく続けるためには、筋肉を適切に維持することが不可欠です。現代社会は便利さを追求しており、それによって私たちの日常生活で筋肉を活発に使う機会が少なくなってきました。例えば、便利な電化製品や交通手段の進化により、以前よりも身体を動かす必要性が減少しています。このような便利さは、一方で私たちの筋肉の衰えを招いています。私たちが生活する上での便利さと筋肉の健康を維持するための取り組みとの間には、一定の矛盾が存在します。完全に過去の生活様式に戻ることは難しく、また便利な生活道具を放棄することも考えにくいため、筋トレを活用して筋肉を維持することが賢明な選択となります。

人は年齢を重ねるにつれ、さまざまな健康上の問題に直面することが避けられません。たとえ現在健康であっても、年齢を重ねると健康問題が生じるリスクが高まります。そのため、将来的な健康維持のために、筋トレを推奨したいと考えます。筋肉を維持することは、年齢とともに増加する健康リスクに対抗するための鍵となります。

特に注目すべき点として、筋肉量は30代をピークに、40代からは急速に減少するという事実があります。筋肉の減少の原因は、年齢だけでなく、日常生活の活動量の低下も大きな要因となっています。具体的には、30代の後半から特に太ももの筋肉は、年に0.5%から1%のペースで減少するとされています。多くの人は30代という年齢を若いと感じるかもしれませんが、この時期から筋肉の老化が進行することを認識し、適切なケアや対策を始めることが重要です。

筋肉は年齢を重ねることで自然に衰えるだけでなく、日常生活の中での活動量が低下すると、その衰えは一層速まります。筋肉を使わないことが続けば、筋肉はその必要性を失い、次第に細く、弱くなってしまいます。これは、生き物の体が無駄を好まない性質から来るもので、使用されない筋肉は体から切り捨てられる傾向があります。多くの人が、病気や怪我で長時間寝たきりになった後、筋肉が急激に衰えたと感じる経験をしています。また、学生時代には運動をしていたが、社会人としての忙しい生活や休日の過ごし方により、筋肉が衰えていることを感じる人も多いでしょう。

特に、上半身よりも下半身の筋肉、特に太ももの筋肉は衰えやすく、30歳頃から筋肉量が減少し始め、年齢とともにその減少は加速していきます。80歳頃には、30代初めの筋肉量の約半分になってしまうと言われています。このような筋肉の衰えは、健康や生命に直接的な影響をもたらすことがあるため、注意が必要です。

サルコペニアについて

サルコペニアという用語は、加齢に伴う筋肉量の減少と筋力の低下を指す医学用語です。この状態が進行すると、次に心配されるのは「ロコモ」と「フレイル」という健康状態です。「ロコモ」とは、運動器官の機能低下が原因で、思うように動くことが困難になる状態を指します。一方「フレイル」は、身体的な機能のみならず、認知機能や栄養、日常生活の活動性なども全体的に低下している虚弱な状態を指します。サルコペニアが進行すると、次第にロコモやフレイルの状態になってしまう恐れがあります。

ウォーキングだけでなく筋トレを組み合わせよう!

健康な状態を保持または取り戻すためには、持続的な努力が必要です。筋肉の衰えを食い止めるためには、筋トレを行い続けることが非常に重要です。しかし、多くの人々は、毎日のウォーキングだけで十分だと考えています。著者によれば、ウォーキングだけでは全ての筋肉を適切に鍛えることは難しく、筋肉を十分に鍛え上げるには筋トレが必須です。しかし、筋トレと言っても、重たいバーベルやダンベルを使用する必要はありません。例えば、ゆっくりとした動作でのスクワット、通称「スロースクワット」が効果的で、この方法を用いて筋肉量の維持が可能です。

何より、筋肉の健康は私たちの命と直接関連しています。年齢を重ねるにつれて、私たちは免疫力の低下や他の健康上の問題により、さまざまな病気のリスクが高まります。病気のリスクが高まる中で、私たちの健康を守り、生命を支えるのは筋肉です。筋肉を鍛えることで、将来的には病気のリスクを減少させるだけでなく、病気になった場合の回復力も向上します。そして、筋トレは長期的な健康のためだけでなく、短期的にも多くのメリットを提供してくれます。

まとめ

と言うわけで、人生100年時代を迎える現代において、筋肉の健康が如何に重要であるかを理解することが必要です。老後が長くなる今の時代、健康的に生きていくための鍵を握っているのは、筋トレです。

以下、本ブログで取り上げたいくつかのポイントを再確認してみましょう。

  • ポイント1: 著者自身が2度のガンを筋トレと蓄えた筋肉のおかげで乗り越えたこと。筋トレが手術の成功率や回復速度を向上させる要因として、現代医学でも認識されています。
  • ポイント2: ガンを移植されたネズミの実験から、筋肉が健康であればガンと共に生きる中でも、寿命を延ばす可能性が示唆されています。
  • ポイント3: 筋トレは私たちの生存にとっての知恵であり、人生100年時代を健康に過ごすための鍵です。筋トレによって、死亡率を下げることが可能であり、様々な病気のリスクを減少させることができます。

さらに、筋肉は加齢と共に減少し、特に40代からはその減少が顕著となります。筋肉量の減少はサルコペニアやフレイルのリスクを高め、最終的には私たちの生命を脅かす要因となります。

これらの点を考慮すると、筋トレは単なる運動ではなく、健康を維持し、高齢期にも活力を保つための重要なツールと言えるでしょう。この機会に筋トレの効果を再認識し、日常の中に組み込むことをおすすめします。健康で豊かな100年時代を迎えるための第一歩、それが筋トレです。

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