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「食のパラドックス 6週間で体がよみがえる食事法」について要約してみた!第2弾

栄養学

今日も「食のパラドックス 6週間で体がよみがえる食事法」の本の要約をしていこうと思います。

第一章では、私たちの体にとって非常に有害とされる「レクチン」というたんぱく質の影響について詳しく探求しました。レクチンは私たちの健康を徐々に害していると言われています。しかし、ここで考えるべき重要なポイントがあります。私たちの祖先が数千年にわたってレクチンを豊富に含む食品を摂取していたにもかかわらず、どうして私たち現代人だけがこのような健康問題に直面しているのでしょうか?第2章では、現代人の健康度が古代エジプト人とほぼ同等であることについて解説したいと思います。

注意 :大豆に含まれる物資で「レクチン」によく似た名前の「レシチン」という物質があります。この「レシチン」は人間の神経に必要な「アセチルコリン」の材料となるものです。だから大豆食品も、食べ方や、量で解決できることが多いので、大豆は悪者というレッテルを貼らないよう気をつけてください。

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レクチンの歴史

レクチンという成分は、長い歴史を持つ中で私たち人類に多くの困難を引き起こしてきました。実際、動物界全体がこのような有害な植物成分を避ける方法を模索してきました。しかし、約10万年前、私たち人類は植物とのこの戦いで一つの革命的な方法を発見しました。それは「加熱調理」です。この調理法により、多くのレクチンが分解され、また植物の細胞壁も壊れて消化が助けられました。この進歩により、私たちの祖先は食物を消化するのに要するエネルギーを削減し、その分を脳の発展に使用することができました。

事実、加熱調理の発明から9万年間、ホモ・サピエンスは食の豊かさを享受し、体の進化も見られました。その結果、約1万年前の人類の平均身長は180センチを超えていたと言われています。

しかし、最後の氷河期の終息とともに、大きな変動が訪れました。氷河期を生き抜いた大型動物が絶滅の危機に瀕し、人類は新しい食料源を求める必要が生じました。この状況下で、中東の肥沃な土地で穀物や豆類の栽培が始まりました。この穀物は、私たちが以前食べていたものとは異なる新種の植物で、新しいタイプのレクチンを持っていました。

穀物栽培の発展により、エジプトは巨大な王国へと成長。ピラミッドのような壮大な建造物を築き上げました。しかし、ミイラの分析から、この時代のエジプト人の健康状態は極めて悪かったことが明らかになっています。彼らの食生活は、レクチンを多く含む穀物が中心であり、その結果、肥満や動脈硬化、虫歯や歯茎の摩耗などの問題が発生していたのです。更に、王妃のミイラの調査からは、糖尿病の兆候も見られました。

このような事実を考えると、穀物を主体とした食生活を持っていた古代エジプト人の健康問題は、現代人の生活習慣病と非常に似ていることがわかります。

産業発展による弊害

穀物や豆類に含まれるレクチンが毒性を持つことは確かですが、その程度は異なります。私たちの先祖が農業革命を経てレクチンを含む食物を取り入れるようになった際、彼らはその有害な影響を緩和するための様々な技術、例えば発酵などを編み出しました。実際、穀物や豆類の存在なしには、私たちが今日享受している文明は存在しなかったでしょう。

しかしながら、現代に至ると、加工食品や遺伝子組み換え作物を通じて、再び危険なレクチンが私たちの食生活に放出されています。大豆、トウモロコシ、トマト、菜種などの遺伝子組み換え作物は、私たちの体が過去に経験したことのない新しいレクチンを持っています。加えて、抗生物質や化学物質の過度な使用により、私たちの体内でこれらのレクチンを適切に処理してくれるはずの微生物叢が破壊されてしまいました。

過去50年間で、私たちは古来からの食文化や知恵を捨て去り、ファーストフードや加工食品、電子レンジ食品などを好むようになりました。結果として、トウモロコシ、大豆、小麦など、レクチンを多量に含む食材が大部分の加工食品に使用されています。これらの急速な食生活の変化は、私たちの体や体内の微生物叢にとって非常に大きな負担となり、その適応速度を超えてしまっています。

こうしたレクチンとの戦いの中で、私たち人間はどのように対応しているのでしょうか。果たして、このレクチンの脅威にただ無力に苦しむだけなのでしょうか。

人体のレクチンを無害化する機能

レクチンが私たちの体を悩ませる一方、人間をはじめとした全ての動物は、レクチンを無害化する、または少なくともその活動を弱めるための防衛メカニズムを持っています。

最初の防衛システム:

  • ムコ多糖類: これは花の免疫や唾液に含まれており、レクチンを捕獲する目的で存在します。第1章で触れたように、レクチンは特定の物質に結びつきやすい性質を持っています。ムコ多糖類はこの特性を利用してレクチンをキャッチします。さらに、粘液は食物が消化管を通過する際の保護層としても機能します。

第二の防衛戦:

  • 胃酸: 胃酸はレクチンの多くを分解する役割を果たします。すべてのレクチンを分解するわけではありませんが、多くのレクチンに効果的です。

第三の防衛システム:

  • 口内・腸内の細菌: これらの細菌は、レクチンが腸壁に着く前に、効率的にレクチンを消化するように進化してきました。長く特定のレクチンを食べ続けることで、それを無害化する体内の細菌を養うことができます。このため、完全なグルテンフリーの食事を取ると、グルテンを無害化する細菌が減少してしまい、それが逆効果となることもあるのです。

最後の防衛戦:

  • 消化管の細胞で作られる粘液: これは、鼻や口の粘液と同じく、消化管全体の保護層として機能します。この粘液は、レクチンを捉えて吸収する役割も持っており、これらの防衛システム全体が、高い効率でレクチンから私たちの体を守るシステムを構築しています。

レクチンの過剰摂取をすると、、、

レクチンを大量に摂取すると、免疫の保護を担うムコ多糖類が減少してしまいます。この結果、余剰なレクチンが生きている細胞に浸透しやすくなります。そして、この状態になると、修復が難しくなります。しかし、私たち人間はレクチンへの対応策として特別な武器を持っています。それは「知識と意識」です。特定の食品が問題を引き起こすことが判明した場合、私たちはその食品を避ける、または摂取量を減らすことができます。さらに、古代の人々が発見した特定の調理法や処理方法を利用して、食品中の毒性を減少させることも可能です。

また、特定の薬物の摂取を制限することや、過度なグルテンフリー食の摂取を避けて腸内の善玉菌を強化することで、体のバランスを再び回復させることができます。

この章で、レクチンの危険性とそれに対する人間の対策について説明しました。次の第3章では、レクチンを適切に扱い、健康を維持・回復するための具体的な手段について詳しく探る予定です。

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