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嚥下障害について② 嚥下の栄養学1


今回は嚥下障害の栄養学について書いていこうと思う。

私見でありますが、嚥下障害の緩和で最も重要であり、重症の嚥下障害では栄養状態が悪い状態では何をやっても変化はしないと考えています。

栄養を補給する行動のための栄養というのも変な話だが、嚥下を見てみると咀嚼、唾液の分泌、消化酵素の分泌、免疫グロブリンの分泌、粘膜、粘液の合成、咽頭、食道の筋収縮ザックリ見ただけでも実にたくさんの生体反応が起こっています。

生体が仕事をするためには、それなりのエネルギーや、物を作るための材料が必要という事である。

次回述べるが、姿勢というのも嚥下にとって重要である。その姿勢を保つための骨についても書いていこうと思う。

前置きが長かったが、まず

咀嚼と嚥下を行うための咽頭、食道の蠕動運動、舌骨の運動はすべて筋肉の収縮弛緩の繰り返しで行われる。

そのためには、エネルギーを絶えず産生し続ける必要がある。細胞内ではエネルギー代謝が円滑に行われる必要がある。その補酵素としてビタミンB1などのビタミンB群を摂る必要がある。

口内炎や口角が切れている、口唇のヒビなどはある場合はビタミンB不足と糖質の過剰摂取が考えられるので、指導が必要です。

また筋収縮にはカルシウム、弛緩にはマグネシウムが必要であり、これが不足すると食道の筋群が緊張した状態が続き嚥下力が低下してしまう。

次に

食道や咽頭、口腔内は粘膜でおおわれており物を食べたり、空気などで常に摩擦が生じ、絶えず粘膜を作り続ける必要がある。粘膜の産生不足は摩擦により組織を傷つけてしまった結果、引っかかりや痛みや腫れが起こり、喉の違和感、筋の緊張により嚥下活動を低下させてしまうことが予想できる。

この粘膜の産生にはビタミンAが不可欠である。ビタミンAは過剰症が心配されるがビタミンA運ぶたんぱく質をたくさん摂ることによって防ぐことができるので、同時にたんぱく質もたくさん摂る必要がある。

このビタミンAというのが嚥下においてかなり重要な栄養素を考えています。ビタミンAは次に記載する唾液にも大きな役割がある。

唾液について

唾液は99%水分で、1%の成分が免疫、口腔粘膜の保護、抗菌などに役立つ。耳下腺、顎下腺、舌下腺から分泌される。

その唾液の成分としてザックリ主なものをあげると、、

ムチン、、主成分がコンドロイチン硫酸という糖タンパクで生成ではビタミンAが必要。粘液の主成分で粘膜を潤し、摩擦を防ぎ、細菌の侵入を防ぐ。

アミラーゼ、、消化酵素。でんぷんを分解。酵素という事はたんぱく質。

ラクトフェリン、、、鉄結合性の糖タンパクで抗菌、抗ウイルス作用がある。また線維芽細胞に働きかけコラーゲンさせ傷の治癒を促進。貧血などでフェリチンが低下するとラクトフェリンの産生も低下するので、口内の免疫機能は低下する。

IgA、、免疫グロブリンの一種。口腔内の免疫に働く。生産にはビタミンAとアミノ酸のグルタミンが必要。

粘膜などの膜や歯肉などは結合繊維のコラーゲンが必要でそのコラーゲンを作るためには、たんぱく質とビタミンCが必要です。

歯を磨くと出血しやすいというのは、ビタミンCが致命的に不足しているためコラーゲンの分子構造が劣化している証拠です。水溶性ビタミンなので一日にたくさん摂ることをお勧めします。

味覚障害があって食事がとれないという人には亜鉛が必要です。亜鉛は傷の回復にも必要ですし、抗酸化作用もあるので是非摂っていただきたい。

最近びっくりしたのが、歯科医で高濃度ビタミンC点滴をしているところがあった。だんだんビタミンの必要性が普及しているのを実感した。

という事で嚥下障害で必要な栄養素として細かいのを省いて書いていくと。

たんぱく質を体重の1000分の1グラムの摂取を基礎に、ビタミンA,B群,Cと鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛を摂ることをまず始めることが大切と考えています。

次回は嚥下障害と姿勢について書いていこうと考えています。

 

 

 

 

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