判断の脳科学
人間の脳にとって「判断する」という行為は、実は非常に大きな負担がかかるものです。何かを決定する際には、膨大な情報処理が必要とされ、これが脳にストレスを与えます。そのため、私たちは無意識のうちに判断を他人に委ねることが多くなります。
脳科学者の中野信子さんによれば、他人の意見に従うことで、私たちの脳はその負担を軽減しようとするのです。これはリーダーや上司に判断を委ねる行動にも表れます。組織や家庭、さらには国家においても、上に立つ人々が判断を下すのはその役割であり、他の人々はその決定を受け入れることで脳の負担を軽減しているのです。
責任転嫁と快楽の関係
しかし、このような脳の働きは、判断を委ねた結果が失敗に終わったときに問題を引き起こすことがあります。自分が判断しなかったにもかかわらず、失敗した場合にはその責任を転嫁し、批判することが多くなります。これは一見不公平に感じられますが、脳の観点から見ると、実は快楽を得るための行動なのです。
他人を批判することで正義感を満たし、脳は一種の快感を得るのです。また、批判をすることで自身の脳は楽をしているとも言えます。これは友人や家族との関係においても同様で、相手に質問を投げかけて答えを引き出そうとする一方で、自分では答えを出さずに講釈を垂れることがあります。これも脳が楽をしながら快感を得ようとする一つの例です。
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年齢と行動力の関係
年齢を重ねると、ますます何もしたくないという気持ちが強くなる一方で、他人に対して意見を述べたくなることが増えるように感じます。これは脳がさらに楽をしたがるからでしょう。年齢とともに脳の負担を避けたいという傾向が強まり、それに伴い、他人への指示や意見が増えるのかもしれません。
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自分の脳に負荷をかける意義
しかし、私たちが成長し続けるためには、あえて脳に負荷をかけることも重要です。新しいことを学び、積極的に行動することで、脳は刺激を受け続け、健康を保つことができます。私自身も、なるべく行動し、脳に負荷をかけることを心掛けています。もっと学び、もっと動きたい。一度きりの人生だからこそ、脳を積極的に使い続けたいと考えています。
以上のように、脳科学の視点から見ると、判断を委ねる行動や他人を批判する行動には深い理由があることがわかります。これを理解することで、私たちの日常の行動や感情をより良く理解し、自己成長につなげることができるでしょう。
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