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筋肉トレーニングバイブル!筋トレするならまずこれを読め!!


■筋発達のメカニズム

ウェイトトレーニングを行うことによって筋肉が肥大化し、筋力が向上します。これはすでに広く知られていますが、ウェイトトレーニングによって筋肉が発達する理由は何でしょうか。

〇超回復の理論とその誤解

「超回復」によって筋肉が強くなると、以前は一般的に考えられていました。筋肉がトレーニングの刺激で損傷し、疲労が溜まると、36〜72時間後には筋肉が元の水準に戻り、さらに経過すると筋肉が強化されるという考え方です。しかし、筋肉の超回復は実際には「グリコーゲンの超回復」と混同されていました。これはトレーニングによって消費されたグリコーゲンが、36〜72時間後には元の水準以上に回復する現象で、誤って筋発達のメカニズムとされていました。

〇筋発達の正しいメカニズム:

ストレス応答 では、筋肉が発達する真のメカニズムは何でしょうか。それは「ストレスに対する適応現象」です。私たちの身体は、寒さや騒音、放射線など生命活動を脅かす要因に直面すると、身体を守るために反応します。これらの要因を「ストレッサー」、それによって身体が起こす反応を「ストレス」と呼びます。ストレッサーは物理的、精神的、生物的、化学的な要因が含まれ、ハードなトレーニングも含まれます。

身体がストレスに対処する適応は、警告反応期、抵抗期、疲弊期の3段階で進行します。警告反応期はさらにショック相と抗ショック相に分かれます。例えば、空手を初めて体験する人が巻き藁を叩くと、最初は拳が痛む(ショック相)。しかし、1日経つと痛みが消える(抗ショック相)。続けることで、拳ダコができ、徐々に大きくなる(抵抗期)。しかし、過度に続けると拳ダコが破れ、拳が傷められる(疲弊期)。

この過程はウェイトトレーニングでも同様で、最初は筋肉痛が起こります(警告反応期:ショック相)。

そして数日経つと筋肉痛が消えます(警告反応期:抗ショック相)。

ウェイトトレーニングを続けることで筋肉が発達していきます(抵抗期)。

しかし、過度にハードなトレーニングを続けると、「疲弊期」に突入し、オーバートレーニングの状態に陥ります。

その結果、筋肉量が減少したり、怪我をしたり、免疫力が低下し、体調が悪化する可能性があります。

このように、筋肉の発達はストレスに対する適応現象を通じて起こります。適度なトレーニングと回復のバランスを保つことで、筋肉は発達し、筋力が向上します。過度なトレーニングを避け、適切な休息を取ることが、筋肉の健康的な発達に重要です。

オーバートレーニング

オーバートレーニングは実際に存在し、その重要性は、「疲弊期」に陥らないようにオーバートレーニングを回避することです。トレーニング関連の雑誌やインターネットでは、「オーバートレーニングは存在しない」という主張が見られますが、これは誤りです。

人間のオーバートレーニングに関する研究は少ないとされていますが、実際には存在します。

例えば、ネガティブ重視のレッグエクステンション実験では、ピークトルクが4日後も低下し続け、筋サイズも減少しました。これは、筋タンパク質を分解するカルシウム依存性プロテアーゼであるカルパインの活性化が原因とされています。

人間を対象としたオーバートレーニング研究は難しいため、動物実験が代わりに行われることがあります。

例えば、ラットに週5日、12週間のトレーニングを行った実験では、タイプ1およびタイプ2a繊維が著しく減少しました。また、オーバートレーニング状態のラットでは、炎症性サイトカインであるIL-6やTGF-βの増加が確認されました。

特に、ネガティブトレーニングは筋肥大効果を打ち消すことがあります。

ネガティブトレーニングを適切に使用すれば、筋発達に非常に有益ですが、やりすぎると容易にオーバートレーニングに陥ることがあります。ウェイトリフターやベンチプレッサーがオーバートレーニングになりにくいのは、ネガティブ刺激が少ないためです。

オーバートレーニングではなく、適度なネガティブ刺激によって、インスリンシグナル伝達系に悪影響が及ぶことがあります。また、炎症シグナル伝達系であるJNKが活性化し、炎症性サイトカインが増加することもあります。これは、筋発達に悪影響を与える可能性があります。

筋タンパク質の合成経路に関連する用語は複雑ですが、トレーニングの刺激がmTORC1を活性化することを覚えておくことが重要です。

mTORは、DNAの転写・翻訳、成長因子、細胞エネルギー、酸化還元状態など、多様な細胞内外の環境情報を統合し、細胞の成長を調節するシグナル伝達経路です。

mTORが活性化されると、下流のタンパク質合成酵素(p70s6kや4E-BP1)がリン酸化され、タンパク質合成が開始されます。また、mTORが活性化すると、「オートファジー」という筋肉を分解しエネルギーを取り出そうとするプロセスが抑制され、筋肉の増加に寄与します。

IGF-1(インスリン様成長因子1)だけでなく、インスリンやテストステロンもPI3Kを活性化し、これらのホルモンもmTORC1を活性化させ、細胞増殖を促進します。

結論として、オーバートレーニングは実際に存在し、適切なトレーニング方法と回復のバランスを維持することが重要です。オーバートレーニングを避けることによって、筋肉の成長と維持が最適化され、総合的な筋力と健康が向上します。

ミオスタチンについて

ミオスタチンについて簡単に説明すると、私たちの体にはタンパク質という栄養素がとても大切です。タンパク質がないと、ホルモンや酵素、内臓や骨などを作ることができません。しかし、筋肉がたくさんあることは、生きていくうえでそんなに重要ではありません。

昔は、食べ物がたくさん手に入らなかったので、体はタンパク質を大切に使わなくてはいけませんでした。そのため、体は筋肉を減らす働きをする遺伝子「ミオスタチン」を持っています。

ミオスタチンが多くなると、筋肉を作る働きが減り、タンパク質の分解が進んでしまいます。しかし、運動をすることで、ミオスタチンを減らして筋肉を増やすことができます。

筋肉を増やすためには、現在の筋肉の能力をちょっとだけ超える刺激を与えることが大切です。無駄に強い刺激を与えても、筋肉を効率よく増やすことはできません。

筋肉には、重い重量で行う「機械的物理的ストレス」と、軽い重量で多くの回数を行う「化学的ストレス」の両方の刺激が効果的です。

まとめ

まとめると、筋肉を増やすためには、ストレス応答を利用して、適切な刺激を与えることが大切です。トレーニングは筋肉を作る働きを活性化し、ミオスタチンを減らすことで筋肉を増やす効果があります。筋肉には最低限の刺激を与えることが重要です。

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