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ビタミンB1とエネルギー:体内での役割と摂取ガイド

栄養学

ビタミンB1は、水に溶けるタイプのビタミンで、チアミンとも呼ばれています。食べ物の中に含まれているビタミンB1の形は、大抵「チアミンモノリン酸」という形です。これは、リン酸が一つビタミンB1にくっついた状態のことを指します。このビタミンB1、あるいはチアミンは、100年以上前の1910年に、日本の科学者鈴木梅太郎さんによって発見されました。現在までに13種類のビタミンが見つかっていますが、ビタミンB1はその中で一番最初に見つかったものです。

今回はこのチアミン(ビタミンB1)について解説していきます。

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ビタミンB1チアミンの働き

ビタミンB1(チアミン)は、私たちが食べる糖質(砂糖やパンなど)をエネルギーに変えるのに重要な役割を果たします。糖質をエネルギーに変えるためには、「解糖系」と呼ばれる一連の反応が行われます。これは、糖質を分解してエネルギーをつくる過程のことを指しています。この解糖系の反応の結果、ピルビン酸という物質が作られます。

そして、このピルビン酸を更にエネルギーに変えるためには、「クエン酸サイクル(またはTCAサイクル)」という次のステップが必要となります。しかし、解糖系とクエン酸サイクルの間には、ピルビン酸をミトコンドリア(細胞内のエネルギーを作る場所)に運んで、アセチルCoAという物質をつくるという重要なステップがあります。

ここで、ビタミンB1が大活躍します。このピルビン酸をミトコンドリアに運ぶ反応のとき、最初に必要となるのがビタミンB1なのです。ビタミンB1は、ピルビン酸が結合して「脱炭酸反応」を起こすのを助けます。これは、ピルビン酸から炭酸ガスを取り除く反応のことを指します。

また、ビタミンB1は「チアミン」とも呼ばれます。チアミンは、リン酸が2つ結合すると「チアミンピロリン酸(TPP)」になります。そして、このTPPがアセチルCoAを作るために必要なアセチル基をリポ酸に移します。これが、アセチルCoAがどのように作られるのか、という流れになります。

つまり、ビタミンB1は私たちが食べる糖質をエネルギーに変えるための重要な中間ステップを助ける役割を果たしているのです。

ビタミンB1研究

1945年にRuth F. Harrellという研究者が行った特別な研究についてです。この研究では、孤児院に住む子供たちが対象とされました。子供たちの日常的な食事に含まれるビタミンB1の量は0.9〜1.0ミリグラムでした。これは、厚生労働省が推奨するビタミンB1の摂取量と同じくらいで、特に8〜9歳の子供たちには1.0ミリグラムのビタミンB1を摂取することが推奨されています。

さらに、子供たちは2つのグループに分けられました。一つのグループには、食事に加えてビタミンB1を2ミリグラム追加で摂取する錠剤が与えられました。これをビタミンB1摂取群と呼びます。もう一つのグループには、見た目は同じでも中身にビタミンB1が含まれていない錠剤(プラセボ)が与えられました。

その結果、18種類のテストで子供たちの精神的な反応力を評価したところ、ビタミンB1を追加で摂取したグループの子供たちはすべてのテストで成績が良かったのです。具体的には、彼らの成績は平均で27%上昇していました。

この研究の他にも、122人の女子学生を対象にした別の研究が行われました。この研究では、ビタミンB1をサプリメントとして摂取したグループの学生たちは、反応速度が向上し、気分が良くなり、頭がクリアになったと感じることが報告されています。また、ビタミンB1を1日100ミリグラム摂取した場合、運動による疲労の軽減と回復が促進されることも発見されました。

要するに、これらの研究からは、ビタミンB1の摂取が精神的な反応力の向上、反応速度の上昇、気分の改善、疲労の軽減などに寄与する可能性が示されているのです。

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ビタミンB1の不足症状

チアミン(ビタミンB1)が不足すると、いくつかの症状が現れることがあります。以下に主な症状を述べます。

  1. 疲労や易怒性:初期の症状として、一般的な疲労感や易怒性などが現れることがあります[2]
  2. 脚気:重度の欠乏症では、脚気と呼ばれる病気を引き起こすことがあります。これは神経障害を引き起こし、筋肉や心臓に影響を及ぼす可能性があります[1]
  3. ウェルニッケ脳症:アルコール依存症の人に多いビタミンB1不足の結果として、ウェルニッケ脳症という脳の病気が発生することもあります[3]

ビタミンB1吸収と摂取方法

チアミン、またはビタミンB1とも呼ばれるこの栄養素は、主に私たちの小腸の上部部分で吸収されます[1][2]。

食事と一緒に摂取した場合、チアミン単体で摂取したときよりも吸収が良くなると言われています。これは、食物が胃を通過して小腸に到達したとき、小腸が分泌する消化液と混ざり合うことでチアミンが安定し、体に吸収されやすくなるためです。

一方で、単独でチアミンを摂取すると、吸収率が下がると言われています。これは、十二指腸(小腸の最初の部分)がアルカリ性(pHが高い)状態であるためと考えられています。アルカリ性の状態では、チアミンが分解されやすくなってしまうため、結果として吸収率が下がるというわけです。そのため、チアミンを摂取するときは食事と一緒に摂ることが推奨されます。

ビタミンB1の吸収をより良くするために工夫されたものとして、「フルスルチアミン」という成分があります。このフルスルチアミンは、「アリナミン」という商品名で市販されています。

ある研究では、この「アリナミン」を4週間の間にたくさん摂取した結果、運動をする時の疲れが軽減し、体内の乳酸やアンモニアの量が少なくなるという効果が見られました。乳酸やアンモニアは運動時に体内で増える物質で、これらが多くなると筋肉疲労や運動後の疲れを感じやすくなるとされています。そのため、これらの減少は運動後の回復を助けることに繋がります。

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一方で、ビタミンB1は一部の食物に含まれる特定の酵素によって分解されてしまうことがあります。具体的には、貝類やワラビ、ゼンマイなどの山菜、そして鯉や鮒などの淡水魚に、「アノイリナーゼ」という酵素が含まれています。このアノイリナーゼはビタミンB1を分解する作用を持つため、これらの食物を多く食べるとビタミンB1が足りなくなることがあります。

馬はこの事をなんとなく知っているのか、山菜を食べないと言われています。これは、ビタミンB1が不足することを避けるための自然の知恵かもしれません。

ただし、このアノイリナーゼは加熱によって分解されます。だから、これらの食物をたくさん食べる予定がある場合は、加熱調理してから食べることをお勧めします。そうすることで、ビタミンB1が分解されるのを防ぐことができるからです。

ビタミンB1が豊富な食べ物

チアミンは

乾燥酵母、全粒穀物、肉(特に豚肉とレバー)、栄養強化シリアル、ナッツ類、豆類、ジャガイモなどの食物に豊富に含まれていますので、バランスの良い食事を心掛けることが予防に繋がります。

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まとめ

ビタミンB1不足による症状は、臨床でよく見かけます。

飽食の時代となっても、パンや白米などの摂取が多くなると、どうしてもビタミンB1の消費量が増えしまい、欠乏状態となります。

江戸時代や戦争時、脚気で亡くなる人が戦死者より多かったと言われています。

それだけビタミンB1不足は怖いのです。しっかりビタミンB1を摂って健康になろう!

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