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超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド【鈴木祐】

集中力

今回は、鈴木祐さんの著書『超ストレス解消法』について解説します。この本は、鈴木さんが10万本の科学論文を読み解き、ハーバード、スタンフォード、ケンブリッジなどの名門大学が実証した効果的なストレス解消法を100種類まとめたものです。

ストレス解消法は量が大事っです。人によって感じ方やストレスの種類が違うため、誰にでもいつでもベストな方法など存在しないからです。

だから、たくさんのストレス解消法を知っていれば、一つが効かなくても別の方法を試すことができ、心に余裕が生まれます。ロールプレイングゲームで様々な回復アイテムを持つのと同じですね。

本書の全てのテクニックを紹介することはできませんが、特におすすめの方法をいくつか紹介していきます。

超ストレス解消法 [ 鈴木 祐 ]

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ストレス解消の第一歩:自分のストレスを正確に把握する

ストレスを効果的に解消するための第一歩は、自分のストレスを正確に把握することです。世の中には様々なストレス解消法がありますが、基本を押さえていないと効果が大きく下がってしまいます。

まず自分のストレスを正確に知えいましょう。

多くの人は自分のストレスを正確に把握できていません。単に「イライラする」と感じるのではなく、今のイライラや不安が100点満点で何点なのか、具体的に評価することが重要です。

例えば、ダイエットを始める時に今の体重を知らずに始める人はいませんし、貯金をする際にも毎月の出費を正確に把握する必要があります。それと同じように、ストレスに関しても現状を把握することが大切です。現代ではストレスが普通の感覚になりすぎて、現状を把握しようとする人が少ないのが現実です。

まず自分のストレスの種類を正確に理解しましょう。

ストレス度を測る方法

自分のストレス度を測る方法を紹介します。

最も手軽なのが「ストレスサーモメーター」です。架空の温度計を思い浮かべて、今のストレスが10点満点中何点かを採点する方法です。この方法は心理カウンセリングでもよく使われています。アメリカの実験でも、学生たちが自分で採点した結果と大掛かりなストレス診断の結果がほぼ一致しているという結果が出ています。

また、ストレスを自分でチェックするのが面倒な人には、デジタルガジェットを使う方法もあります。例えば、フィンランド生まれの指輪型ガジェット「オーラリング」は、血流や心拍数から毎日のストレスを自動でスマホに記録し、グラフで表示してくれます。

スタンフォード大学の研究でも、このガジェットの計測精度が高いとされています。

これらの方法の良いところは、ストレスを数値化するだけでもある程度のイライラ解消効果が得られることです。具体的な数値が分かることで、不安が和らぎ、心が軽くなるのです。

ストレスの種類とその対処法

次に、自分のストレスの種類を理解することが重要です。ストレスには3つの種類があります。

1. ショートストレス

これは、「お腹を壊した」「あいつムカつく」といった短期間で感じるストレスです。ショートストレスは一時的なもので、例えば嫌な出来事があったり体調が悪かったりするときに感じます。

2. ループストレス

ショートストレスが繰り返されることで生じるストレスです。例えば、部屋が汚いことがストレスだとしたら、片付けない限りそのストレスは何度も感じます。また、過去の失敗を繰り返し思い出して落ち込むのもループストレスです。

3. ロングストレス

最もダメージが大きいのがロングストレスです。ブラック企業で働いていて辞められない、借金の心配が常にあるなど、深刻で慢性的なストレスです。この状態になると、ストレスが日常の一部となり、ストレスを感じなくなることもありますが、心や体に深刻な影響を及ぼします。

自分のストレスがどの種類に該当するかを分析することが大切です。ショートストレスなら、カラオケで歌う、大声を出す、好きな曲を聴く、よく寝るといった一般的な解消法で効果があります。しかし、ループストレスやロングストレスの場合は、根本的な原因を見つけて取り除かないとストレスは永遠に解消されません。

思考のアンバランスを解消せよ

激しいストレスを引き起こす根本的な原因の一つが、思考のアンバランスです。例えば、失敗を全て自分のせいにしたり、何でも他人や環境のせいにしたり、他人が自分を嫌っていると勝手に決めつけることなどがこれに当たります。こうした根拠のない決めつけが、思考のアンバランスを生み出し、ストレスの最大の原因になっています。

この思考のアンバランスを修正するためには、認知行動療法で使われるエクスプレッシブライティングが効果的です。

やり方は簡単です。自分のネガティブな経験について、その時の感情や考えたことを全部ノートに書き出します。誰に見せるわけでもないので、何を書いても構いません。

「書きまくるだけで効果があるんですか?」

多くの研究によれば、1日に10分以上エクスプレッシブライティングを行うことで、ストレスに強くなり、頭がすっきりすることが明らかになっています。

ストレスや悩みの多い人の脳は、常にマルチタスクで作業している状態に似ています。例えるなら、重いアプリを複数同時に使用しているスマホのように、動作が遅くなっている状態です。悩みやストレスを書き出すことで、脳のリソースが解放され、効率よく使えるようになるのです。

これを続ければ、客観的に物事を見られるようになってきて、思考のアンバランスが解消されていきます。

栄養のアンバランスを解消せよ

ストレスの根本的な原因の二つ目は栄養のアンバランスです。

ジャンクフードばかり食べている人より、野菜などをバランスよく食べている人の方がメンタルが強そうなイメージがありますよね?

実際に、オーストラリアのメルボルン大学では、地中海式の食事をベースにした「SMILES(スマイルズ)」というメンタル強化食事法の実験が行われました。野菜、フルーツ、魚、オリーブオイルを大量に摂るこの食事法を12週間続けた重度のうつ病患者の症状が、なんと3割も改善し、生きるのもつらい状態だった被験者が前向きに生きていこうと思えるようになったのです。

SMILESで推奨されている食品は、野菜、フルーツ、オリーブオイル、ナッツ、脂肪の少ない牛肉、豚肉、鶏肉、魚、卵などです。基本的には、いつもより野菜とフルーツの量を増やし、魚と脂身の少ない肉をしっかり食べることを心掛ければ良いのです。

逆にスマイルズで避けた方が良いとされているのは、揚げ物やファストフード、砂糖や人工甘味料がたっぷり入ったジュースやお菓子、白米などの精製された炭水化物、過度のアルコールなどです。

栄養のバランスを整えることで、メンタルヘルスを大きく改善することができます。食生活を見直すことで、ストレスの根本的な原因を解消し、より健康的な生活を送ることができるのです。

需要のアンバランスを解消せよ

ストレスが起きる根本的な原因の三つ目は「需要のアンバランス」です。これは、自分ではコントロールできない問題を受け入れられない状態のことを指します。

例えば、仕事で大きなミスをしたときの反応は二つに分かれます。ミスを受け入れて「次は同じことをしないように気をつけよう」とポジティブに考えるパターンと、「あの時もっと気をつけていたらミスなんて起きなかったのに」とネガティブに考えるパターンです。需要のアンバランスが起きているのは後者のパターンで、ミスは確定した事実であり、いくら悩んでも今さらコントロールできません。

この需要のアンバランスの解消におすすめなのが「なぜ法」です。

「なぜ法」とは

これは、自分の嫌な感情や思考の原因をひたすら「なぜ?」と問い詰めていく方法です。例えば、「俺はダメな人間だ」と考えたら「なぜ?」と自分で問いかけます。その答えが「仕事でミスをしたから」なら「なぜミスをするとダメなの?」と問いかけます。それに対する答えが「そう思ってしまうから仕方ない」なら「それって私の感想ですよね?データとかあるんですか?」とひたすら原因を追求していきます。そうしているうちに、自分のネガティブな感情や思考に根拠がなかったことに気づくでしょう。

ループストレスには三種の神器が効く

ここまでロングストレスを根本的に治療するための方法を解説してきましたが、次はループストレスに有効な、即効性の高いストレス解消法を紹介します。

即効性の高いストレス解消法の中でも、科学的に効果が証明されている三種の神器があります。

1. 深呼吸

呼吸を整えることでストレスを和らげます。様々な呼吸法や瞑想の効果が注目されていますが、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。

2. 運動

体を動かすことでメンタルが強くなります。運動は科学が認めた最強のストレス対策の一つであり、数分でも体を動かせば脳の機能を高める物質が分泌されるなど、良いこと尽くめです。

3. 自然との触れ合い

人間には自然を愛する本能が備わっており、最低1日に10分前後は太陽の光を浴び、植物や動物と触れ合うことで心が強くなります。

どれも簡単にできる普通のことですが、ストレスに対する即効性と検証データの多さはトップクラスです。目の前のストレスをどうにかしたいときは、まずはこの三大ストレス対策を試すのが一番手っ取り早いでしょう。

ショートストレスに効く小技

最後に、ショートストレスに即効性抜群のテクニックを二つ紹介しましょう。

1. ポジティブメモリー

アメリカのラトガース大学で開発された「ポジティブメモリー」というテクニックがあります。これは、たった14秒でストレスを大幅に減らす驚きの方法です。同大学のストレス実験では、被験者を二つのグループに分けてストレスを与え、その後片方のグループにだけ14秒間、過去の良い思い出を思い出してもらいました。その結果、そのグループは気分が良くなり、ストレスホルモンのコルチゾールがほとんど増えていないことが確認されました。

ストレスを感じたら、すぐに自分のポジティブな記憶を思い出す癖をつけると良いでしょう。

2. ネガティブダストビン

二つ目のテクニックは「ネガティブダストビン」です。

実際のやり方は超簡単です。不安やイライラといったネガティブな思考が頭に浮かんだら、すぐにノートやメモ帳などの紙に書き出し、その後ビリビリに破いてゴミ箱に捨てます。

感情を紙に書き出すと、脳はそれが物理的なものになったように錯覚します。そしてそれを捨てることで、ネガティブな感情を本当にゴミ箱に捨てたような気分が生まれるんだ。これは脳の勘違いを利用したテクニックです。かなりお手軽にストレスを減らせるので、試さない手はありません。

ストレス管理の総まとめ

まずは、ストレスを正確に把握することから始めましょう。ストレスサーモメーターを使って、現在のストレス度を測るのが第一歩です。ストレスにはロングストレス、ループストレス、ショートストレスの三種類があり、それぞれに適した対処法が必要です。

  • 思考のアンバランス:エクスプレッシブライティングで解消
  • 栄養のアンバランス:SMILS式の食事法で改善
  • 需要のアンバランス:なぜ法で克服

さらに、ループストレスには深呼吸、運動、自然の三種の神器が効果的です。ショートストレスにはポジティブメモリーとネガティブダストビンが即効性を発揮します。

今日のブログを通じて気づいたかもしれませんが、ストレスを与えてくる真のボスは自分自身です。ブッダはこう言いました。『正しい考え方を知らない者は苦しみを感じると嘆き悲しんでパニックを起こしてしまう。これは第一の矢を受けてからさらに第二の矢を受けてしまったようなものだ。生きている限り第一の矢を避けられない。だが、第二の矢を受けるかどうかは自分次第だ。』」

自分自身を理解し、適切な方法でストレスと向き合うことで、より健やかな生活を手に入れましょう。

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