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高須クリニックの高須幹弥氏が、内臓脂肪を減少させる医薬品「アライ」について解説

生理学

高須クリニックの高須幹弥氏が、大正製薬から新発売される内臓脂肪を減少させる医薬品「アライ」について詳しく説明します。この医薬品は一般にオリスタットと呼ばれ、4月8日から薬局での購入が可能になりますが、購入には薬剤師のチェックが必要な用指導医薬品です。処方箋は不要ですが、簡単に手に入るわけではありません。

オリスタットは過去に「ゼニカル」という名前で別の会社から販売されていました。高須氏はこの成分を多くの患者に処方しており、その効果や副作用について詳しいです。この医薬品の作用機序は、食事から摂取した脂肪が分解されず、約25%が便として排出されることにより、体脂肪の増加を防ぎます。通常は食事中または食後に1日3回服用します。

市場には様々な痩身製品がありますが、オリスタットのように実際に効果のある医薬品は少ないです。高須氏は、この医薬品が適切に使用されれば、体重減少をサポートすると述べています。オリスタットは、脂っこい食事をしても、脂肪の大部分が体内に吸収されずに排出されるように働くため、肥満治療において有効な選択肢の一つとなっています。特に、自力でのダイエットが難しい人にとっては、重要なサポート手段と言えます。

さらに、この薬は、処方箋なしで薬局で購入できるため、アクセスしやすくなっています。しかし、90カプセル(30日分)で8800円(税込)という価格は、1日約300円に相当し、ある程度のコストがかかります。それでも、ダイエットを自力で行えない人にとっては、生活習慣病のリスクを減らし、将来的な医療費の増加を防ぐ意味で、非常に価値のある投資と言えるでしょう。

高須氏は、このような医薬品が手軽に入手できるようになることは、日本の医療財政にとってもプラスになると考えています。この新しい医薬品によって、多くの人が健康を取り戻し、より良い生活を送ることができるようになることを期待しています。

オリスタットは、グラクソ・スミスクラインでも販売されており、海外では「アリ」という名前で知られていますが、日本では「アライ」として呼ばれます。この成分は、大正製薬からも新たに販売されることになりました。オーリスタットは、ロシュ製薬のゼニカルとしてもよく知られており、私自身もゼニカルの処方経験が豊富です。この薬は、食物からの脂肪吸収を確実に抑制することで、一定の効果を発揮します。

弊害としては、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kおよびベータカロテンなど)の吸収阻害があります。これらのビタミンは脂肪と共に吸収されるため、オーリスタットの使用により便と共に排出されてしまうことがあります。そのため、アメリカではオリスタットを処方する際に、補助的にマルチビタミンの摂取を推奨する方針をとっており、これはFDAの指示にも基づいています。

オリスタットの作用は脳には及ばず、最近人気のGLP-1作動薬のように食欲を抑制するわけではありません。代わりに、腸内のリパーゼに作用し、この酵素を阻害して脂肪の吸収を抑制します。したがって、食欲を直接抑えることはなく、多くを食べても脂肪の吸収を減少させるというアプローチをとります。

医療費の軽減に役立つ?

オーリスタットが広く普及すると、医療費の削減に寄与するというのが、私の見解です。生活習慣病の悪化を予防し、医療費の増大を抑えるために、このような医薬品が国によって許可されています。実際、多くの生活習慣病は、不摂生が原因で発症し、適切な努力によって予防可能です。例えば、多くの型糖尿病患者は、生活習慣の改善によって病気を予防できたはずですが、不摂生により病状が悪化し、最終的には医療費が膨らむ事例が多々あります。

もし日本国民全体が健康になれば、長寿による社会保障費の増大よりも、医療費削減による社会保障費の減少がトータルで見て大きくなると考えます。健康寿命の延長は、糖尿病や心臓病、脳疾患の減少を意味し、その結果、医療機関の利用が減ります。また、理想的なのは、エリザベス女王のように、寿命が長くても健康で自立した生活を送り、介護や医療サービスへの依存が少ないことです。

オーリスタットの利用に関しては、薬局で購入するまでのプロセスが比較的複雑であり、18歳以上、一定の条件(例えば、男性は腹囲が85cm以上など)を満たす必要があります。これらの条件を満たす人は、すでに食事の改善や運動に取り組んでおり、自力でのダイエットが可能な場合もあるため、実際にオーリスタットを必要とする人は限られる可能性があります。

最終的に、この薬が広く使われるかどうかは未知数ですが、条件を厳しく設定することで、不適切な使用を防ぎ、実際に必要とする人にのみ利用されるようにすることは重要です。

副作用

高須先生が言及した「アライ」の副作用には、特に2つの現象が挙げられます。まず、オーリスタットを服用すると、便に含まれる油分が通常よりも多くなり、トイレを使用する際に油性の便が便器に広がってしまうことです。これにより、便器が油で汚れ、掃除が困難になるという問題があります。また、服用者がガスを排出する際にも、油性の液体が同時に排出されることがあり、普通におならをしても下着が汚れてしまうという現象が起こります。これは日常生活において大きな不便となり、職場など公共の場で非常に恥ずかしい状況を引き起こす可能性があります。

さらに、高須先生は、便秘が改善するという意外なメリットがあることも指摘していますが、服用する際には生理用ナップキンを使用するなどの対策が必要となり、これが日常生活における重荷となる可能性があることを述べています。また、この副作用が原因で、服用を中止する人が多いとも言及しています。

最後に、高須先生は、薬局で購入可能なGLP-1作動薬が将来的に肥満治療の主流になる可能性を示唆しています。GLP-1作動薬は、食欲を抑制することで食事量を減らし、肥満治療に効果があるとされていますが、本当に治療が必要な肥満の人に限って使用すべきであると強調しています。

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