
今回は、ジェームズ・グッドウィンさんが書かれた『世界の最新メソッドを医学博士が一冊にまとめた最強脳のつくり方大全』という本を解説します。今回の目次は以下の通りです。
- 運動と脳
- 脳が発する栄養素
- 脳と幸福
という順番で解説していきます。
脳の力を高めたい、年を取っても頭がしっかりと働く状態を維持したい、そう思う人は多いでしょう。本書は、脳をより良い状態に保つ方法について、さまざまな視点から最新研究の知見を交えて説明してくれる本です。それでは、さっそく紹介していきます。
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1. 運動と脳
この章では、運動が脳に与える影響を、以下の2つのポイントを通して詳しく解説します。
- 適正な運動量は週に150分
- 有酸素運動が高齢者の認知能力を向上させる


適正な運動量は週に150分
科学的な研究により、人間に必要な運動量が徐々に明らかになっています。特に、ヨーロッパやアメリカの政府機関が発表している健康ガイドラインでは、「週に150分の中程度の有酸素運動」が最適とされています。この量の運動を行うことで、以下のような健康リスクが軽減されることが確認されています:
- 心血管疾患:血流が改善され、心臓の機能が向上します。
- 心不全:心臓への負担が減り、長期的なリスクが低下します。
- 肥満:エネルギー消費が増加し、体重管理に役立ちます。
- 高血圧:血圧が安定し、血管の健康が保たれます。
これらの慢性疾患を予防するだけでなく、運動は精神的健康の維持にも大きく寄与します。運動によりストレスホルモンが軽減され、エンドルフィンなどの幸福感をもたらすホルモンが分泌されるためです。


運動量だけではなく「質」と「種類」も重要
ただし、単に150分間運動するだけでは十分ではありません。どのような運動を行うか、またその運動の強度が適切であるかも重要です。
イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)は、健康に関する信頼性の高いエビデンスを基に、以下のような詳細なガイドラインを示しています:


- 有酸素運動:週150分以上、中程度の強度の活動(例:自転車漕ぎ、早歩き)を行うことが推奨されています。中程度の運動とは、軽く息が弾むが会話は可能な状態を指します。
- 筋力トレーニング:週に2~3回、全身の主要な筋群を動かす運動(例:スクワット、腕立て伏せ、ウエイトリフティング)が推奨されています。筋力トレーニングは骨の健康を保ち、転倒や怪我のリスクを軽減します。
NICEのガイドラインは、科学的な信頼性が高い膨大な文献に基づいており、運動の効果を網羅的に解説しています。特に19歳から64歳の成人に向けた推奨事項は、多忙な現代人にとって現実的で実行しやすい内容になっています。
運動が脳にもたらす直接的な効果
運動は、身体の健康だけでなく、脳の健康にも良い影響を与えます。たとえば、運動により以下のような効果が得られることが示されています:
- 血流の改善:脳への酸素供給が増え、神経細胞が活性化します。
- 神経伝達物質の分泌:ドーパミンやセロトニンが分泌され、集中力や記憶力が向上します。
- 神経細胞の再生促進:特に海馬(記憶を司る部分)の神経細胞が新たに生成されやすくなります。
運動の種類や強度に合わせて、脳への影響も異なるため、自分に合った運動プランを見つけることが重要です。
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有酸素運動が高齢者の認知能力を向上させる
運動は身体だけでなく、脳の健康にも深い影響を与えます。特に、有酸素運動は高齢者の認知機能に顕著な効果をもたらすことが数々の研究で示されています。その代表例として、2011年に発表された米国科学アカデミーの研究があります。この研究では、120人の高齢者を対象に、1年間の有酸素運動が脳に与える影響を調査しました。結果として、以下のような重要な発見が得られています:
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- 海馬の体積が増加
有酸素運動を継続したグループでは、記憶や学習に関与する脳の部位である海馬の体積が平均2%増加しました。この2%の増加は、一般的に年齢とともに毎年1~2%減少する海馬の体積を「約1~2年分取り戻す」のと同等の効果です。 - 記憶力の向上
海馬の体積増加は、記憶力の向上と密接に関連しています。研究では、運動を行ったグループが、運動を行わなかったグループに比べて記憶テストのスコアが向上したことが確認されています。これにより、運動が加齢による記憶力の低下を予防し、さらには改善する可能性が示されました。
なぜ有酸素運動が脳に効くのか?
有酸素運動が認知機能や記憶力を向上させる主なメカニズムは以下の通りです:
- 血流の増加
運動により心拍数が上がると、脳への血流が増加します。これにより、酸素や栄養素が脳に供給され、神経細胞の機能が活性化します。特に、記憶や学習を司る海馬はこの影響を大きく受けます。 - 神経成長因子(BDNF)の分泌
有酸素運動は、脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌を促進します。この物質は、新しい神経細胞の成長を助け、既存の神経細胞を保護する役割を果たします。BDNFは特に、記憶の保持や認知機能の向上に重要な働きをします。 - 炎症の抑制
運動は、脳内の慢性的な炎症を抑える効果もあります。炎症は加齢に伴う認知機能の低下と関連しており、これを軽減することで脳の健康を保ちます。 - ストレス軽減と気分改善
運動によるエンドルフィンの分泌や、ストレスホルモン(コルチゾール)の減少も脳に良い影響を与えます。ストレスが少ない状態では、脳がより効率的に情報を処理し、記憶を形成することが可能になります。


実生活への応用
このような研究結果は、実生活でどのように活用できるのでしょうか?高齢者が認知機能を向上させるためには、以下の点を意識して運動を取り入れることが推奨されます:
- 運動の種類
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、持続可能で楽しめる有酸素運動を選ぶと良いでしょう。 - 頻度と時間
週に150分以上、中程度の強度(少し息が上がるが会話ができる程度)で行うことが理想的です。1日30分のウォーキングを週5日行うだけでも目標を達成できます。 - 運動の一貫性
長期的に運動を続けることが重要です。1年を通じて習慣化することで、脳の構造や機能に持続的な改善が期待されます。
脳が発する栄養素
この章では、脳の健康を維持し、認知機能を高めるための重要な栄養素について解説します。以下の2つのポイントを詳しく見ていきます。
- 美肌にも認知機能向上にも効くビタミンA
- ビタミンBは「脳(ブレイン)のB」
1. 美肌にも認知機能向上にも効くビタミンA
ビタミンAは、肌を美しく保つ効果がよく知られていますが、それだけではなく脳にも良い影響を与えることが科学的に証明されています。
ビタミンAの効果を示す研究
フランスのボルドー大学が行った研究では、ビタミンAが脳機能に与える影響を調査しました。この研究では、ビタミンAが不足したラットを対象に実験が行われ、以下の結果が得られました:
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- 海馬の細胞再生の減少
ビタミンAが不足しているラットは、海馬内での新しい細胞の生成が32%少なく、学習や記憶に関わる脳機能が低下しました。 - テスト成績の低下
ビタミンAが不足したラットは、水中の足場を見つける能力を測定するテストで、通常のラットに比べて成功までの時間が25%長くなりました。 - 摂取再開による改善
ビタミンAを再び摂取させたラットでは、4週間後にテスト成績が大幅に向上しました。さらに、神経細胞の再生が促進され、通常のラット以上の細胞生成が確認されました。
実生活での応用
これらの結果から、ビタミンAは脳の健康維持に不可欠な栄養素であることがわかります。食事に以下のようなビタミンAが豊富な食品を取り入れることをおすすめします:
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- 動物性食品:レバー、卵黄、バター
- 植物性食品:にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など(βカロテンが体内でビタミンAに変換されます)
ただし、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、過剰摂取は毒性を引き起こす可能性があります。適量を守ることが重要です。
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2. ビタミンBは「脳(ブレイン)のB」
ビタミンB群は、脳と神経系の健康を維持するために非常に重要な役割を果たします。それぞれのビタミンが異なる働きを持っていますが、特に以下の点で脳に対する恩恵が注目されています。
ビタミンBの主な役割
- 神経伝達物質の正常な働き
ビタミンB群は、神経細胞間のコミュニケーションを支える神経伝達物質の生成と正常な働きに欠かせません。たとえば、ビタミンB6はセロトニンやドーパミンの合成に関与し、感情の安定や集中力の向上を助けます。 - エネルギー代謝の促進
脳はエネルギーを多く消費する臓器であり、ビタミンB1(チアミン)やビタミンB2(リボフラビン)は脳細胞が効率的にエネルギーを利用するために必要です。これにより、脳が効率的に情報を処理し、学習能力が向上します。
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コリン:脳の「食べ物」
ビタミンB群の一つに分類されることもあるコリンは、特に脳の健康に重要な栄養素です。コリンは神経伝達物質「アセチルコリン」の生成に関与し、記憶力や注意力の向上に寄与します。
コリンの摂取と認知機能
2011年の研究では、1391人を対象にした調査で、コリンの摂取量が高い人ほど記憶や論理的思考力のテストスコアが高いことがわかりました。また、コリンは加齢による認知機能の低下を抑える効果も確認されています。
コリンが豊富な食品
- 卵(特に卵黄)
- レバー
- 大豆製品
- 魚(特にサケ)
摂取量の目安として、アメリカでは以下の基準が推奨されています:
- 女性:1日425mg
- 妊婦:1日450mg
- 授乳中の女性:1日550mg
- 男性:1日550mg
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3. 脳と幸福
この章では、「幸福」というテーマに対して脳科学的な視点から解説します。特に以下の2つのポイントに焦点を当てます。
- 何が人を幸せにするのか
- ぼんやりしていると不幸になる
1. 何が人を幸せにするのか
幸福の鍵は「目的を持つこと」にあると著者は指摘しています。この点は、心理学や哲学の分野でも古くから議論されてきたテーマです。
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仕事と幸福の関係
たとえその仕事が嫌いだったとしても、無職でブラブラしている状態は幸福感を大きく損ないます。これは、さまざまな国や社会を対象とした研究でもほぼ例外なく示されています。具体的には、仕事を持つことで以下の要素が満たされ、幸福感が増すことがわかっています:
- 社会的つながり:職場での人間関係が孤立感を和らげる。
- 自己効力感:何かを達成し、社会に貢献しているという感覚。
- 経済的安定:生活の基盤が整うことでストレスが軽減される。
無職で目的を持たない生活は、幸福感の低下だけでなく、うつ病や不安障害のリスクを高めることも研究で明らかになっています。
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「目的」と幸福の心理学
人生に目標を持つことは、幸福を感じるために欠かせません。この考えは古代ギリシャの哲学者アリストテレスが唱えた「幸福とは人生の目的そのもの」という思想にも通じます。また、心理学者ビクトール・フランクルの「ロゴセラピー理論」でも、人生の意味を見出すことが精神的な健康の鍵であると強調されています。フランクルは第二次世界大戦中、アウシュビッツ収容所での過酷な経験を通して、「目的を持つこと」が人間の精神力を支える最大の力であることを実証しました。
目的を持つことで幸福感が増す理由
- 日々の行動に意味を感じられる。
- 困難な状況においても希望を持てる。
- 自己成長を実感し、自己肯定感が高まる。
2. ぼんやりしていると不幸になる
ハーバード大学が実施した大規模な研究では、人は日常生活の約47%の時間を「ぼんやり」と過ごしていることが明らかになりました。この「ぼんやり」は、いわゆるマインドワンダリング(心がさまよう状態)を指します。
集中と幸福度の関係
研究によれば、人が行っている活動がどれほど楽しめるものであれ、自分がその活動に集中している時間が長いほど幸福度が高まることが分かっています。一方で、以下のような状況では幸福感が低下します:
- 無目的な状態:目の前の活動に意識が向かず、ただ時間を消費している。
- 心配や後悔:過去や未来の出来事について考えすぎる。
- 注意散漫:何かをしている最中に他のことを考えることで、今に集中できない。
ぼんやりすることが不幸につながる理由
- 幸福感の減少
活動中にぼんやりしていると、その活動自体から得られる喜びが減少します。たとえば、食事中にスマートフォンをいじっていると、食事の楽しさや満足感が薄れてしまいます。 - 負のスパイラル
研究によれば、ぼんやりしている時間が長いと、その後の幸福度がさらに低下することがわかっています。たとえ楽しい活動をしていても、集中できないと幸福感が得られにくくなります。 - 脳のエネルギー消耗
マインドワンダリングは、脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)が活性化する状態です。この状態が長く続くと、脳が過剰にエネルギーを消費し、疲労感やストレスを感じやすくなります。
集中力を高める方法
ぼんやりする時間を減らし、幸福感を高めるためには、以下のような習慣が役立ちます:
- マインドフルネス
瞑想や深呼吸を通じて、現在の瞬間に意識を集中させる練習をします。これにより、集中力が高まり、幸福度が向上します。 - デジタルデトックス
スマートフォンやデジタルデバイスの使用時間を制限することで、注意散漫を防ぎます。 - シングルタスク
一度に1つの活動に集中することで、効率が上がり、満足感も得られやすくなります。
まとめ
- 運動と脳
- 適正な運動量は週に150分
- 有酸素運動が高齢者の認知能力を向上させる
- 脳が発する栄養素
- 美肌にも認知機能向上にも効くビタミンA
- ビタミンBは「脳(ブレイン)のB」
- 脳と幸福
- 何が人を幸せにするのか
- ぼんやりしていると不幸になる
以上、『最強脳のつくり方大全』の内容を簡単に紹介しました。本書には、さらに多くの興味深い知見が含まれています。ぜひ、実際に読んでみてください!
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