こんにちはかのえ鍼灸整骨院の宮川です。
今回はトレーニングによる筋の発達について書いていきます。
前回のフェイスラインの自己対応については後日動画を配信しようと考えていますので、お楽しみにしてください。
今回はトレーニングについてです。
1・トレーニングと筋の発達
前回、筋肉の発達は超回復でなく、ストレス反応であるという事を書きました。
詳しくは超回復でない筋力強化? を参照してください。
簡単に書くとオーバートレーニングというのは、トレーニングのし過ぎということで、長期間にわたりネガティブ(筋肉を伸ばしながら筋収縮させる筋肉トレーニング)や高強度のトレーニングを単一部位にやってしまうと筋が疲弊してしまい、逆に筋肉を落としてしまうことになります。筋肉の疲弊はカルパイン(筋肉を分解するカルシウム依存性プロテアーゼ)の活性させたためと考えられています。
トレーニングで重要なのは疲弊期に移行させないのが大切です。
トレーニングを適切に行うと、mTORを活性化します。mTORとは細胞を成長を調整するシグナルで、活性化するとたんぱく質合成酵素のリン酸化がおこりたんぱく質の合成が起こるという事です。また筋肉を分解してエネルギーに変えるという『オートファージ』の反応を抑制して、筋肉の増加を促します。
さらに、トレーニングはIGF-1(インスリン様成長因子)やインスリン、テストステロンというホルモンのレベルも上げます。これらのホルモンもmTORを活性化し細胞を増殖させます。
たんぱく質というのは最も重要な栄養素です。そのためたんぱく質を適切に分配する必要があります。過剰な筋肉というのはそれほど生命維持に必要がありません。そのため過剰な筋肉を分解してもっと重要なところに分配するという働きが人間には備わっています。それが『ミオスタチン』という筋肉を減らす遺伝子です。
トレーニングはこのミオスタチンを減らすことが分かっています。すなわち、ミオスタチンを減らすことにより筋肉を増やすという事になります。
しかし先ほども言いましたが、筋肉というのは大量のエネルギーを必要とするので、過剰な筋肉は生命に必要ではありません。そのため、低タンパク状態でのトレーニングは筋肉の発達を妨げ、疲弊を早てしまいます。特に成長期でのトレーニングはかなりのたんぱく質が必要としますので、指導される方やこれからトレーニングをする学生の方はたんぱく質の摂取をしっかりして行ってください。
筋発達に必要な刺激は現在の筋肉の能力が100だとした時に、101の刺激を与えるだけで十分です。もっと強い刺激が入ればより強くなると思ったら大間違いで、身体が『これはストレスだ』と感じれば十分です。
筋肉痛が発生するという事は、101以上の刺激が与えられたと考えられます。筋肉痛がなくても筋の発達は起こります。筋肉痛は必要条件ではありません。最小限の筋肉痛があれば少なくともそれで十分であると思っていただいていいと思います。
皆さん焦らず、楽しんでトレーニングを行ってくださいね!!
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